緊張でダンスを失敗してしまうメカニズムと克服するためのメンタル鍛錬法
舞台上やオーディションでダンスする者が絶対に克服しなければいけないもの、それが緊張です。
どれだけ普段上手にダンスできても、舞台上に上がったら頭が真っ白になってしまう、オーディションでうまく踊れなくなってしまう、という緊張が出てしまう方も少なくはありません。普段みっちりレッスンを積んだのに、あがり症のせいで上手にダンスできずに本番で失敗したり、緊張だけでオーディション落ちなどになってしまったら、ショックも一層大きいでしょう。
そんなダンサー志望の皆さんに向けて、こちらでは緊張で失敗してしまうメカニズムと緊張に打ち勝つためのメンタル鍛錬法をご紹介していきます。
・緊張は身体を自動運転から手動運転に切り替えるスイッチ
日常生活で人が意識して行っている行動はごくわずか。例えば、箸の持ち方や自転車の漕ぎ方など、最初は苦労していたことでも脳が反復練習によって自動化に成功した行為は、簡単に行えるようになります。
しかし、脳が「失敗してはいけない」という強い強迫観念を受けると、筋肉への指令を上手に伝えることが出来なくなります。そうして自動化されていた行動が手動運転に切り替わってしまうのが、緊張によって失敗するメカニズムなのです。
そんな緊張状態では、身体に覚え込ませていたダンスなども急に出てこないことがあります。これを乗り越えるためには、鍛錬して緊張を克服するためのメンタルを身につける必要があります。
・緊張を克服するための4つのメンタル鍛錬法
緊張に打ち勝つメンタルを身につけるためにおすすめの方法を4つご紹介します。
1. 他者の視線に常に晒される状況に慣れる
人を緊張させる理由の一つは「他者の視線」。
これに慣れるためには、「常に誰かに見られている」という状況を生み出すことが大切です。
例えば、接客業のアルバイトをする、人が見ている前でダンスの練習をするなどが方法として挙げられます。
特に、人前や壇上に上がると頭の中が真っ白になってしまうような方や、あまり人前に出て話したことのないような方には、より効果が大きいはずです。
2. 本番を想定したリハーサルを入念に行う
本番で失敗しないためには、本番をイメージしながら繰り返し入念にリハーサルを行うことも有効です。何度も何度もダンスパフォーマンスを行い、身体と脳に舞台上での自身の動きを行動ルーチンとして染みつかせるのです。
このとき、舞台上やオーディション会場に似た場所で本格的なダンスのリハーサルを行えるのがベストですが、できない場合は家族や知人の前で行うのもいいでしょう。
3. オーディションを繰り返し「緊張」の場数を踏む
人は何にでも慣れる生き物。緊張だって同じです。いくつもの緊張するような状況に直面し、それを乗り越えていけば、自然と人は場慣れしていきます。
そんな緊張感を持ったダンスパフォーマンスの経験を積むためには、オーディションを繰り返し受けることも有効です。
最初は面接官や受験者からの厳しい視線に負けてしまうかもしれませんが、次第に慣れてきて本来の力を発揮できるようになるでしょう。
4. 緊張をほぐすためのリラックス方法を身につける
緊張状態に陥ると、全身の筋肉が強張ってぎこちないダンスになってしまう傾向にあります。そんな筋肉をほぐすためには即効性のあるリラックス方法を身につけておくことも大切です。簡単にできる方法を3つご紹介しますので、こちらも事前にトレーニングしておくといいでしょう。
*呼吸のリズムを整える
緊張状態にある場合、呼吸のリズムが早まっていることがほとんどです。深呼吸をゆっくりと行い、自分の体内に新鮮な空気を送り込むことをイメージしましょう。
*ストレッチを行う
簡単なストレッチを行うのも効果的です。この際、呼吸も意識しつつ行えば、相乗効果で一層リラックスできるはず。
自律神経は指の一本一本にまで通っているので、全身のストレッチを行うようなスペース的な余裕がない場合は、指先のストレッチを入念に行うだけでも大分効果があります。
*笑ってみる
緊張すると筋肉が委縮し、笑えなくなってしまいます。コレを逆手に取り、敢えて笑ってみることで脳に緊張していないと錯覚させるのも一つの方法。
また、笑ってみると自然と緊張がほぐれて楽しくなってくるはず。「緊張した場面でも笑顔を浮かべられる」、と心に余裕を持つことも大事な要素です。緊張に飲まれにくいメンタル状態を作ることができます。
・舞台本番で強くなるために、オーディションで緊張しないためには、ダンスの専門学校でレッスンを受けるのがベスト
ダンスのオーディションで緊張をほぐすための技術は独学でも習得できますが、緊張しててもなお上手にダンスできるかどうかは経験の差がものをいいます。たくさんの経験値を得たいのであれば、やはり設備や講師がしっかりしている場所で学ぶのがベスト。
他者の視線を受けながらのレッスンや大規模なリハーサル、オーディション練習など、独学では得がたい本番を想定したシーンをいくつも疑似体験できます。
いろんな経験を経て、緊張を乗り越えられる強いダンサーになりたいのであれば、やはり独学で勉強するよりも専門学校で学ぶことを強く推奨します。